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日誌

子どもの変化と工夫

 

こんにちは、学びの森のタナカです。

 

 

学びの森では、生徒たちの「変化」に注目することが多いです。

 

「こんな問題も解けるようになった」という学習面での変化はもちろん、「バイトを始めた」「掃除が丁寧になった」「遅刻しいひんようになってきた」など、生徒たちと共に過ごしている中で、彼らの中に見出す変化は実に様々です。

 

 

最近も、ある小学生の生徒の変化に「おっ」と思いました。

 

 

 

 

 

 

その生徒は勉強中、問題を解く合間に、解答用紙の空きスペースに絵を描いているのです。

 

問題ばかり解いていると勉強そのものが嫌になるため、自主的に楽しい時間=お絵かきタイムを取りやる気やモチベーションを維持しているんだそう。

 

その子自身が編み出した集中するための工夫だということが分かっており、問題も順調に進んでいるため、ここではお絵かきをやめさせることはありません。

 

その絵が問題にまつわるものが多くてユーモアに富みおもしろいので、私も毎回楽しみにしているほど。

 

 

その生徒の絵が、最近少し変わってきているように感じたのです。

 

 

これまでは、(・・)(・ω・)( – ω – )(>ω<)といった顔文字でその時の感情を表現するイラストや、直線的なラインで描かれる絵が多かったのですが、最近は人間の絵が多くなり、その表情もバリエーションが増え、より豊かに描かれるようになりました。

 

 

 

 

 

 

このように、こんなに小さいスペースにいろんな物語が繰り広げられていて、読み応えがあるのです。

 

 

この生徒はもともと字を書くことがあまり好きではなく、学びの森に通い始めた頃は直線的な線ばかりで文字を書くことが多かったのですが、この絵の変化とどう関係しているかはいざ知らず、最近はよりこなれた文字を書くようにもなってきました。

 

 

一見「集中していない」と捉えられがちな学習中の行為も、その子の状況を見、行為の理由を聞いてみると、案外それが「集中するため」の工夫だったりする。

 

そんなことは、この生徒に限った話ではないのだろうなと思います。

 

 

表面的に表れている現象だけを取り出してその是非を判断する前に、対話によって相手が考えていることを探ることが必要なんだよな、と改めて考えさせられた生徒の変化でした。