MENU

日誌

明るい声

今朝、駅で卒業生のユミコにパッタリ出会いました。

 

彼女は、高校の時学校へ行けなくなり学びの森へとやってきました。

当時の彼女の両腕には、痛々しい傷が何本も走っていました。

 

彼女は、私が初めて出会った本気のリストカッターでした。

 

そんな彼女でしたが、「学び」を通して

また、自分自身の「語り」を通して

少しずつ、自分を解放していくことができました。

そしてふと気がつくと、彼女の腕からあの痛々しい傷が随分薄くなっていったのです。

 

学びの森を卒業したユミコは、外国語大学へと進学していきました。

英語が好きだった彼女は、海外で生活することを夢見ていたようです。

 

でもそんな学生生活も長く続きませんでした。

再びユミコは、大学へ通えなくなっていったのです。

 

それからしばらくして、ユミコはコンビニでアルバイトを始めていました。

偶然に私が立寄ったところで、声をかけられたのです。

 

「塾長、お久しぶり。私、もう一度勉強し直して、看護学校受験しようと思ってる…」

とても明るい声で彼女は話してくれました。

 

あれから半年、彼女は看護学校へ毎日電車で通う日々を過ごしていました。

「リストカッター」としてどん底の人生を経験した彼女にとって、

大学を辞めるという人生の挫折は、十分にそれを乗り越えるだけの力となっていたのでしょう。

 

「行ってきまーす」

ユミコの明るい声が駅の改札を駆け抜けていきました。